2005年09月10日

呼吸と血液循環との関係

 呼吸と血液循環のしくみについては、次のようになっています。


■ 外呼吸と内呼吸のシステム

 呼吸には、外呼吸と内呼吸のプロセスがあります。外呼吸とは、肺に入った空気と、肺胞を取り巻く毛細血管の中の血液との間で、酸素と二酸化炭素のガス交換が行われることです。一方の内呼吸とは、体の臓器や筋肉などの組織の細胞と、そこに分布する血管の中の血液との間でガス交換が行われることです。

 呼吸とは、外呼吸に関わる器官や臓器のことですが、呼吸は酸素や二酸化炭素を運ぶ血液や、その流れをつくる心臓や血管といった血液循環との切り離して考えることは出来ません。


■ 赤血球のヘモグロビンが酸素を運ぶ

 肺胞で酸素を受け取り、全身に送りつづけるのは、赤血球の中にあるヘモグロビンという物質です。ヘモグロビンは鉄とタンパク質からできていて、血色素ともいいます。赤血球の赤い色はこのヘモグロビンの色です。食事が偏ってヘモグロビンの材料となる鉄分が不足すると、貧血になって息切れがしたり、疲れやすくなったりします。

 肺胞で拡散作用によって血液の中に入った酸素は、ヘモグロビンと結合して全身に届けられます。全身の組織では、そこに流れてきた血液の中のヘモグロビンから、酸素濃度の低い組織の方に酸素が放出されます。

 一方、全身の細胞で、酸素を使って栄養分を分解し、エネルギーを取り出したあとに出るいわば《廃棄物》の二酸化炭素は、拡散によって組織から血液の中へ入ります。二酸化炭素の一部はヘモグロビンと結合しますが、大半は血液中の水の分子と反応して、炭酸水素イオン(HCO_3)の形で血液(血漿)の中に溶け込んでいます。そして、二酸化炭素を多く含む血液は肺へと送られ、肺胞でのガス交換によって二酸化炭素が空気中に放出されるのです。


■ 血液中の酸素と二酸化炭素の濃度

 血液の中に溶けている酸素や二酸化炭素などのきたいの量は、分圧という単位で示されます。分圧とは。いくつかの気体が混じっている場合に、それを構成する気体のそれぞれの圧力のことです。

 肺でガス交換を終えたばかりの酸素をたくさん含む血液を動脈血といいます。動脈血の酸素分圧は95mmHg(※注)、二酸化炭素の分圧は40mmHgです。全身の組織に酸素を渡して、二酸化炭素を回収して心臓に戻ってくる血液を静脈血といいます。静脈血の酸素配分は40mmHgまで減少しています。一方の二酸化炭素の分圧は46mmHgに増加しています。

 血液の中には、その他に窒素も含まれますが、窒素は人体では利用しないため、動脈血でも静脈血でも(共に、573mmHgとなり、)分圧に変化はありません。ガス配分中にある水蒸気も、動脈血・静脈血は共に、47mmHgとなっており、合計で755mmHgあります。

※注:mmHgは圧力の単位で水銀柱ミリメートルと読みます。1気圧は760mmHgです。


■ 肺に出入りする血管

 全身から戻ってきた静脈血は、心臓の右心房に入ります。右心房から右心室に入り、右心室の収縮によって肺動脈に送り出された静脈血は、すぐに左右に分かれて、肺門部から左右の肺に入ります。肺動脈は次々と枝分かれしながら細くなり、最終的には肺胞を取り巻く毛細血管になります。

 肺胞でガス交換をして酸素をたくさん含んだ動脈血は、肺胞を取り巻く毛細血管から肺静脈へ次々に合流していきます。肺静脈は、肺門部近くで左右2本ずつの太い血管となって左心房に戻ります。左心房から左心室に入った動脈血は、左心室の収縮によって大動脈から全身へと送り出されていくのです。


■ 動脈なのに静脈血が流れている

 酸素がたくさん含まれた動脈血が流れるのが動脈、全身から二酸化炭素などを回収した静脈血が流れるのが静脈というイメージがありますね。しかし、肺動脈と肺静脈は逆です。

 肺動脈には静脈血が流れ、肺静脈には動脈血が流れています。これは、胎児の《へその緒》の中を通る臍動脈と臍静脈も同じで、母親の胎盤から酸素を受け取った動脈血は臍静脈を流れています。血管の名前は、心臓が出るものを動脈、心臓に戻るものを静脈と呼ぶ約束になっているため、こういうややこしいことになるのです。
この記事へのコメント
肺で酸素がヘモグロビンと結びつくところが良くわからないです、血液中の溶存酸素では無いと思われます、
Posted by やまちゃん at 2016年12月22日 17:06
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