2005年09月09日

肺胞とガス交換

 肺胞とガス交換のしくみについては、次のようになっています。


■ 肺胞の構造

 20回以上も枝分かれしながら細くなった気管支の先端は、肺胞に繋がっています。1つのは違法は丸い風船が膨らんだような形で、その膜は細胞でできています。肺胞の周りには、その形を保つために弾力のある線維が取り巻いています。1つの細胞の直径は0.1mmほどです。大人の場合、肺胞は肺全体で数億個あり、その表面積はテニスコート1面分に相当すると考えられています。

 肺胞は、たくさん集まってブドウの房のような形になっています。肺胞と気管支は肺胞管で繋がっており、隣どうしの肺胞は肺胞孔という穴で繋がっており、これらの管や穴を通って空気が出入りしています。

 肺胞の中には、マクロファージとよばれている白血球の一種のものがあり、細胞の中に入ってくる細菌や細かい異物を取りこんで処理します。また、肺胞には、肺胞がしぼむのを防ぐサーファクタントという物質を出す細胞もあります(下記の一番下の項目を参照のこと)。


■ 肺の微細な血管網

 肺胞の周りには、毛細血管がメロンの網目のように取り巻いています。肺胞では、肺胞の中の空気と血液との間でやりとりされています。

 肺の中の血管だけを特殊な樹脂固めて取り出した標本やグラフィック映像を見ると、太い血管から極細の血管までたくさんの血管があり、肺にはまるで血管の塊のようにも見えます。


■ 肺胞でのガス交換のしくみ

 肺胞では、肺胞の膜と毛細血管の壁を通して、二酸化炭素と酸素の交換(ガス交換)が行われます。酸素は肺胞から毛細血管に、二酸化炭素は毛細血管から肺胞に移動しますが、このガス交換がどのように行われるのかについては、次のようになります。

 肺胞内には、酸素と二酸化炭素の受け渡し役をするものがなく、ポンプのようなシステムなどがありません。肺胞でのガス交換は「拡散」という現象によって行われています。拡散とは、濃度の高い方から低い方に物質が移動する現象のことです。つまり、酸素は、濃度が高い肺胞から濃度の低い毛細血管へ、二酸化炭素は濃度の高い毛細血管から濃度の低い肺胞へと自然に移動するのです。


■ 吸気と呼気の酸素濃度

 私たちが呼吸をするたびに吸う空気を吸気といい、吐く空気を呼気といいます。これらが、どのような物質で構成されているかについては、最も多いのが窒素で、吸気、呼気とも79%を占めています。

 窒素は人体では使われないため、吸気と呼気の間には差がありません。また、二酸化炭素の割合は、吸気、呼気とも少量です。

 人体にとって、必要な酸素は、吸気(大気)の中には約21%含まれています。肺に入った酸素はすべてが体で使われてしまうわけではないので、呼気の中にも16%の酸素が含まれています。心臓が止まった人に行う人口呼吸では、私たちの吸気を口や鼻から吹き込むわけですが、呼気の中にも16%の酸素が含まれているので、相手にも酸素が供給することが出来るのです。

 呼気には水蒸気も含まれます。つまり、肺から肉体の水分が外に出ているのです。このように、肺や皮膚から気づかないうちに水分が外に出ていくのを「不感蒸泄」といい、その量は1日に1Lにもなります。


■ 吸気と呼気の成分

 酸素、二酸化炭素、窒素における吸気と呼気の容積(%)を割り出せば、次のようになります。

### 酸素 ###
【吸気】・・・21% 【呼気】・・・16%

### 二酸化炭素 ###
【吸気】・・・0.003% 【呼気】・・・4%

### 窒素 ###
【吸気】・・・79% 【呼気】・・・79%

### 合計 ###
【吸気】・・・100% 【呼気】・・・99%


■ 《肺胞がしぼまない理由》

 小さな丸い風船状の肺胞は、息を吐いたときにもしぼんでしまうことがありません。それは、肺胞にある特殊な細胞から「サーファクタント」という界面活性物質が分泌されているからです。サーファクタントは、肺胞の内面をおおう水の分子がお互いに引き合って縮もうとするのを防ぐ働きがあり、これによって、肺胞がしぼまないようになっています。しかし、未熟児などでサーファクタントの分泌が不十分な場合は、肺胞がしっかりと膨らまないため、呼吸がうまくできないという現象が引き起こされます。

この記事へのコメント
呼吸についての解説を拝見いたしました.素晴らしい解説を公開され,感謝いたします.


ただし,ウィキペディアの「大気」の項:

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B0%97

を見ますと,「二酸化炭素の割合は約0.04%」とあります.

他方,此方では;

ーーーー引用ーーーー
### 二酸化炭素 ###
【吸気】・・・0.003% 【呼気】・・・4%
ーーーーーーーーーー

とあります.私の記憶でも,ここまで低くなかったと思います.

ご検討くだされば幸いです.

以上.

Posted by 入谷 有一 at 2005年12月08日 21:45
入谷 有一 様
ご意見ありがとうございます。

実はこのデータは、
東京医科歯科大学名誉教授・医学博士の佐藤達夫氏
のデータを参考にしています。

ご意見をいただきましたので、
後日、再検討致します。
ありがとうございました。
Posted by K2K at 2006年04月08日 00:28
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