2005年08月14日

交感神経と副交感神経

 交感神経と副交感神経については、次のようになっています。

■ 交感神経と副交感神経の機能と特徴

 1つの臓器や器官には、基本的には交感神経と副交感神経の両方が分布しており、それぞれの神経はお互いに、ほぼ正反対の働きをしています。交感神経と副交感神経のような正反対な働きをする機能を「拮抗的二重支配」といいます。

 敵に出くわしたり、危険が迫ったりなど、環境が変化したとき、自分の身を守るためには、攻撃して戦うか、回避させるために逃走しなければなりません。このようなときは交感神経が働き、体が臨戦体制に入ります。すぐに行動を起せるように緊張し、全身の筋肉に血液とエネルギー源を配給し、酸素をたくさん取り入れようとします。

 安全な環境にいるときは、心身を休ませたり、食事をしたり排泄したりすることが必要です。また、生物にとっては子孫を残すこと(繁殖行動や子育ての行為などの本能)も大切です。こんなときには副交感神経が働いて、心臓や呼吸を緩やかにしてリラックスした状態(肉体環境)をつくり、胃腸の働きを活発にします。


■ 交感神経の経路と主な働き

 交感神経は、脊髄の胸部(第1胸髄)から胸部(第3または第4腰髄)までの側柱(脊髄の灰白質)から始まり、神経線維は脊髄の前角から出ています。

 眼や唾液腺、肺や心臓などを支配する神経は、脊柱の両側を縦に走る交感神経幹で神経細胞を切り替えます。消化器や腎臓などの腹部の内臓に分布する神経は、交感神経幹を通過して、腹部の大動脈のそばにある神経節で神経細胞を切り替えて標的となる臓器に分布します。

 交感神経は体を《臨戦体制》にします。交感神経が働くと、瞳孔が開き、心臓の拍動が速くなり、気管支は緊張します。肝臓からは体のエネルギー源となるブドウ糖が放出され、筋肉の血管が拡張します。こららの働きが強くなるため、胃腸に分布する血管が縮んで働きが低下します。膀胱の壁の筋肉がゆるみ、膀胱の括約筋は逆に収縮するので、尿は膀胱に溜まります。


■ 副交感神経の経路と主な働き

 副交感神経は、脳幹の部分と、第2〜第4仙髄の側柱から始まります。副交感神経の節前線維は、交感神経のような特別な形を取らず、脳神経や脊髄神経に混じって走ります。そして、標的となる臓器や器官の近くで神経細胞を切り替えて、節後線維を伸ばします。脳幹から出る節前繊維は、脳神経の動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経に含まれて走っています。

 副交感神経は、体にエネルギーを蓄えようとします。副交感神経が働くと、瞳孔は収縮し、心臓の拍動はゆるやかになります。胃腸の動きや消火腺の働きが活発になり、肝臓では取りこんだブドウ糖を貯蓄するためにグリコーゲンという形に変えます。膀胱の括約筋がゆるみ、膀胱の壁の筋肉が収縮するので排尿が起こります。また、陰茎の勃起も副交感神経の働きです。


■ ストレスと自律神経

 動物にとってのストレスは敵と出会い襲われることです。ストレスがかかると、交感神経全体が興奮し、ドキドキと鼓動が早くなり、呼吸が速くなります。血圧が上昇し、胃腸の働きが低下します。しかし、敵が去れば、副交感神経が働いて、この反応は解除されます。

 ヒト(現代人)にとってのストレスは、動物のような一瞬のものとは違い、長期にわたるものが多くなっています。例えば、受験勉強や仕事の問題や、人間関係などの悩みは、持続したストレスとして体にのしかかります。

 ストレスの元を解決したり、ストレスを発散したりすることが出来ないでいると、交感神経がずっと緊張状態に置かれるため、やがては体は消耗し、頭痛や胃腸障害、高血圧など、さまざまな病気が現われてきてしまうのです。ストレス死は人間でだけでなく、野生動物でも同じことが言え、例えば、保護する際に大きなストレスを負荷させたことから、せっかく保護した野生動物がストレス死してしまうことがあります。

この記事へのコメント
初めて拝見しました。わかりやすく説明してあって、お気に入りに登録しました。カラーの図があるとさらによいと思います。あと、漢字の間違いが気になりました。
Posted by tomo at 2006年02月20日 22:13
tomoさん
ご意見ありがとうございます。
カラーの図については、
図を添付するとよいことはわかっているのですが、
当方の環境が図を配置できる環境でないため、
図を添付することができません。ご容赦下さい。

お気に入りにご登録していただいたのに、
誠に申し訳ないのですが、
こちらの一身上の都合で
閉鎖することを検討しております。

誤字についてですが、
本ページ内では見当たらないので、
後日、チェックすることに致します。

ありがとうございました。

Posted by K2K at 2006年04月08日 00:46
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