2006年04月19日

上半身に分布する動脈

 上半身に分布する動脈については、次のようになっています。


■上肢に伸びる動脈

 左右の鎖骨下動脈は、鎖骨の後ろを通って、脇の下、上腕の内側へと走ります。脇の下の部分は腋窩動脈、上腕の部分は上腕動脈と、その名前も変化します。

 腋窩動脈からは、肩や胸に分布する動脈の枝が出ています。上腕動脈からは、上腕の上のほうをぐるりと回る上腕回旋動脈、上腕の後ろ側を走る上腕深動脈などの枝が出ています。上腕動脈から出た何本かの動脈は、肘の部分で互いにつながり、網のような構造を作って肘を取り囲みます。

 これによって、肘が曲がってある動脈が圧迫されても、ほかのルートで血流が確保できるようになっています。

 上腕動脈は、肘関節のところで橈骨動脈(親指側)と尺骨動脈(小指側)に分かれます。手首の部分の橈骨動脈は、脈拍の測定にも使われます。


■手の動脈

 橈骨動脈と尺骨動脈は、手首を超えると、手のひらで合流し、指の先まで細い動脈を伸ばします。

 橈骨動脈は、親指を通って親指と人差し指の先に枝を出し、手のひらの深いところで小指側にカーブして、尺度骨の動脈に合流します。このカーブの部分を深掌動脈弓といいます。

 尺骨動脈は、小指側から手首を通り、手のひらの浅いところで親指側にカーブして、橈骨動脈と合流します。このカーブの部分は浅掌動脈弓といい、そこから小指、薬指、中指、人さし指へと動脈が伸びています。

 指の動脈は、指の両側を 1 本ずつ走っています。また手の甲には、細い動脈が網目のように走っています。


■胸(部)大動脈とその枝

 大動脈弓から続く下行大動脈のうち、横隔膜のところまでを胸(部)大動脈といいます。胸(部)大動脈は、上部では脊柱の前のやや左よりに、横隔膜を貫く部分では脊柱の前のほぼ真ん中を下行します。胸(部)大動脈が横隔膜を貫く穴を、大動脈裂孔といいます。

 胸(部)大動脈からは、体の前のほうに出て胸にある臓器に伸びる枝として、肺そのものに血液を送る気管支動脈(肺胞でのガス交換には参加していない)、食道に分布する食道動脈、心臓を包む心膜に分布する心膜枝などが出ています。

 また、体の後ろの方に出て、肋骨や横隔膜に伸びる枝として、第 3 〜 11 肋間動脈と、第 12 肋骨の下を走る肋下動脈、横隔膜の上の面に分布する上横隔動脈が出ています。


■鎖骨下動脈から分かれて胸に分布する動脈

 左右の鎖骨下動脈からは、首や頭、胸などに向かって細い動脈が出ています。それらの動脈の 1 つである内胸動脈は、胸の前の胸骨の両側を下行しながら、肋間の前から背中側にまわりこんで走る前肋間枝や、心膜、横隔膜に分布する枝を出しています。

 この前肋間枝は背中側から出る肋間動脈と繋がってます。そして、縦に走る内胸動脈は腹部を下行し、最終的には、下腹部で両脚のほうに分かれた外腸骨動脈から出る下腹壁動脈と繋がります。

 鎖骨下動脈から分かれた肋頸動脈は首の後ろを上がる深頸動脈と最上肋間動脈に分かれます。
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