2005年10月04日

心臓の拍動と循環のコントロール

 心臓の拍動と循環のコントロールのしくみについては、次のようになっています。

■ 心臓の収縮と拡張の様子…心周期

 心臓は、全体が同時に収縮するのではなく、心房と心室が、絶妙にタイミングをずらして収縮しています。その収縮と拡張のリズムは、刺激伝導系が起こしています。

 心臓全体が収縮と拡張を行う1サイクルを心周期といいます。心周期は大きく次の4段階に分けることが出来ます。@心房が収縮して、血液が心室へ流れ込み、心室が血液でいっぱいになります。A心室が収縮を始め、房室弁が閉じます。心室の収縮がまだ始まったばかりなので、動脈弁は閉じたままです。Bさらに心室が収縮し、動脈弁が開いて血液が一気に動脈に送り出されます。C心室が拡張を始め、動脈弁は閉じます。心房に血液が流れ込み、一部は心室にも流れ込み始めます。


■ 正常な心拍と心音

 心臓が収縮する回数を心拍数といい、普通は1分間の回収をさします。安静にしているときの心拍数は、大人では「 60 〜 70 回 / 分」。産まれたばかりの新生児の心拍数は「 130 〜 145 回 / 分」、と、年齢が小さいほど心拍数は多くなります。一方、高齢者では、年齢と共に心拍数は少なくなります。

 聴診器で胸の音を聞くと、心臓が収縮して拡張する間に、主に2つの音を聞くことが出来ます。その音の1つ目は、房室弁が閉じて、心室の筋肉が収縮するときの音です。2つ目は、心室の収縮が終わり肺動脈弁と大動脈便が閉じる音です。これらの音は、心尖部(心臓の下側のとがった部分。左胸の下の少し中心寄りの場所)で最もよく聞えます。

 4つの心臓の弁のところでも心音を聞くことができ、心臓病の診断にも役立ちます。この心音を機械によって記録したものを、心電図といいます。


■ 心臓が送り出す血液量と血液の配分

 心臓が1回の収縮で送り出す血液の量は約70Lです。安静にしているとき、心拍数が「 70 回 / 分」とすると、1分間に心臓が送り出す血液の量は、およそ 5L になります。運動をすると、心臓の拍動が速くなり、この量は何倍にも増加します。

 全身を循環する血液は、必要に応じて体の各部に配分されます。最も重要な脳へは、常に、1分間に 750ml 程度の血流量が確保されます。安静にしているときは、肝臓や胃腸などの消火器系と、尿をつくる腎臓に、それぞれ 20 〜 25 %程度の血液が配分されます。しかし、ほどんど働いていない骨格筋には、全身を合計しても 15 〜 20 %程度しか配分されません。一方、激しい運動をするときは、大量の血液を必要とする骨格筋に全体の 80 %を配分するようになります。このときの消火器系や腎臓への配分は、数%程度に減少します。


### 安静時と運動時の全身への血液配分 ###

《肺循環》
【安静時】・・・100 %
【運動時】・・・100 %

《脳》
【安静時】・・・13 〜 15 %
【運動時】・・・ 3 〜 4 %

《心臓(冠循環)》
【安静時】・・・ 4 〜 5 %
【運動時】・・・ 4 〜 5 %

《肝臓・消火器系》
【安静時】・・・20 〜 25 %
【運動時】・・・ 3 〜 5 %

《腎臓》
【安静時】・・・20 %
【運動時】・・・ 2 〜 4 %

《骨格筋》
【安静時】・・・15 〜 20 %
【運動時】・・・80 〜 85 %

《生殖器・その他》
【安静時】・・・10 〜 15 %
【運動時】・・・ 1 〜 2 %


■ 循環をコントロールする自律神経

 心拍のリズムは常に一定ではなく、運動、緊張やストレス、息を大きく吸ったといなどには速くなり、ゆったりと休んでいるときや睡眠時、息を大きく吐くときなどにはゆっくりになります。

 心臓の拍動は、意思でコントロールすることは出来ません。体の状態に応じて心臓の拍動を調節する役割は、主に自律神経が担当しています。自律神経は、私たちの意思から独立(自律)して働く神経で、体の機能や体内環境を望ましい状態に保つ働きがあり、互いにほぼ反対の(相対的な)働きをする交感神経と副交感神経とがあります。例えば、交感神経は心臓の拍動を速めて心拍出量を増やし、一方の副交感神経は心臓の拍動をゆっくりにします。
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